前回、サービスセンターのひとり言にてGPU(地上用電源装置)のトラブルシュートについて
ご紹介させて頂きました。 サービスセンターのひとり言では、A4チラシサイズという紙面上の
制約もありまして限られた紹介となってしまうので、もう少し掘り下げてご紹介します。
丁度、同タイプのトロンエアー製GPUが入庫しておりますので作業に入ります。
このGPUの症状としては、ひとり言の方のGPUに起こっていたトラブル(メインブレーカーをONとして電源を
投入すると、一瞬グリーンの電源ランプが点灯するがすぐに消えて使用不能となる)と酷似しています。
メインブレーカーSWをONとして電源を投入すると、一瞬グリーンの電源ランプが点灯するがすぐに消えると
同時に、メインブレーカーがトリップ(危急停止)してOFFとなり使用不能となるという症状です。
ひとり言の個体と違うのは、メインブレーカーがトリップしてOFFとなるという事象です。 今回のこのGPUに
関しては入庫する以前に、現地に訪問する機会がありましてわずかな時間ではありますがトラブルシュートを
行いました。
メインブレーカーがすぐにトリップしてOFFにならないようにちょこっと細工をして各部の電圧を測定すると・・
ひとり言の個体と同じく3相200VのU,V,Wの相のうちの1相の電圧が出ておりませんでした。
ひとり言の個体はメインブレーカーがトリップせず、OFFにもならずに使用不能となるのにこちらの個体は
何故トリップしてOFFとなるのか??
トロンエアーではGPUに付属しているマニュアルにて図面が開示されているので、図面をご覧頂くと
お解りになると思いますが制御が絡んできます。
こちらの個体では、異常を検知して保護回路が働きメインブレーカーがトリップしてOFFとなる制御が効いております。
その異常というのが3相のうちの1相がLOSTしているという事になります。
現地では限られた時間によりここまでのトラブルシュートとなり内容をお客様に伝えた所、スカイレーベル
にて入庫修理となりました。
早速、カバーを外してテスターにて各部の電圧と導通、また目視にて外部から目視可能な断線や劣化、
破損があるか点検します。
特に断線や破損は見られませんが埃や汚れ、電線留めクランプや接続端子に劣化が見られました。
電線留めクランプの接着劣化により、浮いてます。
浮いていると、良からぬ箇所に接触したり、扉に挟んだり危険がいっぱいです!!
トランスフォーマー温度センサーSW端子が傷んでおり、端子台も埃まみれです。
これらの不具合箇所は、後で直してあげる事にしてまずはトラブルの原因を探らなければ・・
本体カバーを全て外しテスターにて各部の電圧、導通を計測する事によって原因はほぼ
特定出来ました。
修理編につづく